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2.7 Gitの基本 - Git エイリアス

Git エイリアス

次の章に進む前に、Gitの利用をよりシンプルに、より簡単に、より慣れ親しんだものにする機能、エイリアスについて紹介したいと思います。明確さのために、本書の他の箇所ではエイリアスを使用しませんが、Gitを定期的に使用するのであれば、エイリアスについて知っておくべきです。

Gitは、コマンドを部分的に入力しても自動的に推測しません。Gitコマンドの全文を毎回入力したくない場合は、git configを使って各コマンドのエイリアスを簡単に設定できます。以下に設定したいかもしれない例をいくつか示します。

$ git config --global alias.co checkout
$ git config --global alias.br branch
$ git config --global alias.ci commit
$ git config --global alias.st status

これは、例えばgit commitと入力する代わりに、git ciと入力するだけでよいことを意味します。Gitを使い続けるうちに、他のコマンドも頻繁に使うようになるでしょう。新しいエイリアスを作成することをためらわないでください。

このテクニックは、本来あるべきだと思うコマンドを作成するのにも非常に役立ちます。例えば、ファイルのアンステージで遭遇したユーザビリティの問題を修正するために、独自のアンステージエイリアスをGitに追加できます。

$ git config --global alias.unstage 'reset HEAD --'

これにより、次の2つのコマンドが等価になります。

$ git unstage fileA
$ git reset HEAD -- fileA

これは少しわかりやすくなったようです。lastコマンドを追加することも一般的です。次のようにします。

$ git config --global alias.last 'log -1 HEAD'

このようにすると、最後のコミットを簡単に見ることができます。

$ git last
commit 66938dae3329c7aebe598c2246a8e6af90d04646
Author: Josh Goebel <dreamer3@example.com>
Date:   Tue Aug 26 19:48:51 2008 +0800

    Test for current head

    Signed-off-by: Scott Chacon <schacon@example.com>

お分かりのように、Gitは新しいコマンドをエイリアスで指定したものに置き換えるだけです。しかし、Gitのサブコマンドではなく、外部コマンドを実行したい場合もあるでしょう。その場合、コマンドを!文字で始めます。これは、Gitリポジトリと連携する独自のツールを作成する場合に便利です。git visualgitkを実行するようにエイリアスを設定することでデモンストレーションできます。

$ git config --global alias.visual '!gitk'
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